民法改正:共同相続と債務
Posted on 2019年8月20日
前回は債権の相続のお話しでしたが、では、被相続人が有していた債務についてはどうでしょう。
例えば、被相続人が借金を抱えたまま亡くなった場合ですね。
遺言により、法定相続分と異なった割合で共同相続人に債務を負担させる、ということはできます。
しかし、債権者としては、基本的にはこれに縛られることなく、法定相続分に従って共同相続人たちに請求をすることができます(民法902条の2)。
つまり遺言に書くことは自由ですが、これを債権者には対抗できないということです。
被相続人が残した債務を引き継ぎたくない場合は、相続放棄が確実です。
相続放棄をすると、積極財産も含め一切の相続をしないことになります。
以上は遺言の場合ですが、遺産分割ではどうでしょう。
被相続人が残した債務(借金など)について、相続人間で話し合い、法定相続分と異なった割合で引き受けることができるのか。
これについては、判例によると債務は遺産分割の対象とすることができないとされていますので、基本的には法定相続分にしたがって責任を負うことになります。
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